【お客様への取材から記事作成】読者が喜ぶための、準備から記事公開までを解説
様々な企業のホームページを拝見すると、消費品やサービスをご購入されたお客様が、顔出しで掲載されているページが増えたと実感します。
私自身もWebディレクターでありながら、取材を行い、記事作成まで行うことは少なくありません。
Webサイトも読者目線でどのような情報があったら良いか考えると、やはり先に購入されたお客様の生の声や笑顔があった方が、ご購入を検討されている方からすれば、大変な助けになると言えます。
そのようなWebサイトに欠かせないのが、お客様の声です。
私も最初は取材にとても緊張し、本や動画、ブログを参考にしました。
まだ数十件と取材させていただいた若輩者ですが、やった方が良いこと、やらない方が良いことが見えて来ましたので、解説していきます。
取材準備は8割!とにかくお客様を理解する
月並みですが、良い取材か、反省点が残る取材かは、やはり準備で左右されます。
表現を変えると、会う前から「どれほどお客様のことを考えているか」が問われます。
取材アポイント
取材へのアポイントは、まず案件の担当者に許可を取ります。
案件やお客様によっては、行きやすい案件もあれば、行きにくい案件もあるのは当然です。
許可が下りれば、案件に応じて担当者か自分がアポイントを取ります。
- 取材の目的(「Webサイトへ掲載し、読者さま方が安心していただけるように」など)
- 候補日時
- 所要時間
- インタビュー内容
- 撮影箇所(「お客様の笑顔」など)
- 掲載例(過去に掲載した内容)
取材日時が決まれば、お客様の情報を把握する
アポイントを取れれば、第一関門を突破です。
ご購入の上に、記事作成までご協力いただけるだけなんて、とても満足された証拠です。
当日の取材も楽しんでいただけるよう、こちら側も徹底的に準備します。
私は現在は建設業の取材が多く、リノベーションの記事が主なので、以下のように把握し取材ノートに書き込みます。
- 問い合わせ日
- ご契約日
- 着工日
- 完工日
- ご契約された内容(詳細の項目すべてに目を通す)
- 仕様変更の有無
- ご契約金
取材に行く旨を、案件に関わった営業担当者や設計士、CADオペレーター、現場管理の方の全員に伝え、大変だったことや思い出深かったこと、お客様の人格などを深掘って行きます。
お客様の価値観を徹底的に調べる
ご契約されたお客様の情報を把握したら、お客様の人格や環境を調べます。
取材の良し悪しは、お客様が自分に親近感を覚え、胸中を打ち明けていただけるか否かに掛かっています。
まずはお客様に安心していただけないと、本音が出ません。
本音が出ないと表面的な記事になってしまう恐れもあり、お客様の大切な時間を台無しにしてしまう恐れがあります。
そのため、法人のお客様はWebサイトを拝見し、個人のお客様はSNSを徹底的に調べます。
出身地・家族構成・趣味・最近ハマっていること・商品やサービスとの関連性・理念(信念)・仕事内容
私の目安は、取材に行かなくても記事を書けるくらい事前調査することです。
取材の成功イメージを明確にする
お客様のことを徹底的に考え、お客様やサイト読者の方々、社内スタッフが喜ぶゴールを導き出します。
お客様
ご契約されたお客様も時間が経って日常化すると、どの点に感動したのか忘れてしまったり、喜びに気づかなくなってしまいます。
取材する側は単にWebサイトの充実だけでなく、お客様の喜びを引き出すことも大切です。
取材の中でコーチングを行い、感動を深堀りすれば、お客様は一層と喜んでくれます。
喜んでいただいたお客様の中で、ご紹介をいただくといった副産物もあり得ます。
Webサイトの読者
お客様の声を掲載させていただく一番の目的は、サイト読者にとって有益な内容とするためです。
サイト全体の色調や写真、筆調を合わせないと読者は違和感を覚えます。
コンテンツに則した内容とするため、記事構成や筆調も考慮が必要なことを頭に入れておきます。
社内スタッフ
私はお客様やWebサイト読者の同じくらい、社内の方々が気持ちよくなるような記事作成を目指します。
お客様のことを徹底的に考え納品したとしても、次々と仕事に追われるため、お客様の笑顔に立ち会えないことがほとんどです。
また、説明するに難しい役職についている方は、家族や友人など、周囲に自分の仕事を理解いただけないことが多くなると、モチベーションに関わっていきます。
お客様が喜んでいる姿を見ている姿は、どんなにベテランでも嬉しいものです。
家族が仕事を理解し、心から応援してくれる環境は幸せです。
社員一人一人のモチベーションに寄与し、社内環境の改善も、取材の大きな狙いになります。
いざ取材へ!話を聞きに行くのではなく、可愛がられに行く
取材日の朝にリマインドメールを送り、手土産を選びます。
事前に調べた、お客様の家族構成や趣味嗜好を鑑みたものを選び、なぜこの手土産にしたか伝えれば、喜んでくださること間違いありません。
15分くらい前に取材場所に到着し、町並みをよく観察し、取材の小ネタに使えるものは拾います。
訪問の場合は、手の消毒スプレーなども持参し、感染症対策を徹底します。
雑談7割・主題3割で、お客様の話を掘り下げて広げる
名刺交換や自己紹介を終え、録音の許可を取った後、いよいよ取材を開始します。
最初から主題に切り込むのではなく、事前調査した中で関心を持った、お客様の出身地や家族構成、趣味を質問します。
まずは相手に理解を示し、共感し、懐に入っていくことが大切です。
そのため、表面的な印象を与えないように、自分の情報を相手に合わせて開示することも重要です。
主題から逸れたとしても、相手の心情を理解し、普段聞けないような話をしていただくことの方が、深みが出て読み応えのある記事になります。
お客様も自身も双方の表情を見て話をするため、取材ノートに書き込むよりかは録音のみ行い、取材時間ギリギリまで、お客様との会話を楽しみます。
信頼関係をつくったら、勇気を出して切り込む
お客様が喜んで会話していただけると、場の雰囲気が和み、一定の信頼関係が生まれます。
ここからは「関係を作ってからしかできないこと」を質問していきます。
- 数あるサービスの中で、弊社を選んでいただいた理由
- 弊社サービスの改善点
- ご契約金額の掲載の許可
- その他、雑談の中で生まれた聞けそうで聞けないこと
お金や健康、家族などのプライベート面は、なかなか切り込めないものです。
そこで、「お客様と取材者」ではなく、「人と人」の繋がりとして、関心のある部分を掘り下げます。
お客様にとって特別な会社となるためには、やはり奥深いところで繋がるところも大切です。
その際は、「記事にするかしないかは別としてですが〜」と前置きがあると、ご安心していただけます。
取材終了!記事公開まで気を抜かない
取材が終わり、お客様の笑顔や商品を撮影したら、退出します。
撮影写真を差し上げることも、立派なプレゼント
帰社後、撮影写真をデータ化したら、クラウド上でフォルダを作成します。
取材のご協力いただいたお礼メールに添付すれば、喜んでいただけるでしょう。
私はデータ化した写真をGooglePhotoでアルバムにし、お客様へのお礼メールにURLと共に送付しています。
写真を撮られることが久しぶりのお客様も意外と多く、ご夫婦やご家族の写真に喜んでいただけることも往々にしてあります。
撮影写真のチェックと共に、お客様に喜んでいただけるので、取材にご協力していただいたプレゼントとなるのです。
お客様・サイト読者・社内スタッフが喜ぶ姿をイメージして記事作成
ご契約内容や取材時に録音した情報を元に、撮影写真を交えながら進めます。
ここからは通常の記事作成と一緒で、記事構成から始めます。
お客様ご自身のストーリーも掲載するため、事前に情報収集した内容と、雑談で得た内容を集約することが大切です。
記事が出来上がったら、案件の担当者に連絡し、お客様へ確認していただきます。
一発OKの公開は目指すところですが、なかなかうまく行くものではありません。
むしろ出来上がった記事を叩き台に、コミュニケーションを取りながら、更に良い記事に仕上げる姿勢も大切です。
記事を本公開したら、お客様や社内に共有して、記事作成は完了です。
取材に要する時間と導入コスト
規模と内容によりますが、1本の記事をつくるまでに10時間以上は要します。
- 事前準備:1〜2時間
- 取材:1時間
- 移動時間:1〜2時間
- 記事作成:5〜6時間(2,000〜3,000文字)
スキル面ではコミュニケーション能力や検索能力、ライティング能力が問われるため、ハードルが高いイメージもあります。
1人で必要スキルを賄えない場合は、分業制で行えば難しくありません。
有益な情報発信をするサイトに、お客様の声やインタビュー記事は欠かせません。
機会があれば積極的に取りに行きつつ、沢山の笑顔を撮影できれば、素晴らしいWebサイトに成長します。